皆さんこんにちは!
新菱工機、更新担当の中西です。
──静かに、そして確実に行われる“垂直輸送設備”の環境責任
今回は、「エレベーター据付工事の環境への影響とその配慮」をテーマにお届けします。
私たちが日々手がけるエレベーター設置・更新工事は、単なる“機械の取り付け”ではありません。
現代社会では、“安全性”だけでなく“環境負荷を最小限に抑える施工”が大きな責任となっています。
エレベーターはビルやマンションにとって不可欠なインフラですが、据付工事の段階では以下のような環境課題と向き合う必要があります。
エレベーターシャフト内でのアンカー打設やレール固定作業では、金属音や打撃音が発生
特に既存建物での更新工事は、居住者やテナントがいる状態で施工するため、周辺への騒音・振動対策が必須です。
対応策:
静音ドリルや低振動ハンマーの使用
作業時間を限定した施工計画の立案(昼間・短時間集中)
解体した古い昇降機からは、金属部材、モーター、ケーブル、制御盤、油圧部品などが排出されます。
PCB含有コンデンサや鉛バッテリーなど、特別管理産業廃棄物が含まれる場合もあり、厳重な分別・回収が必要です。
対応策:
指定業者による分別解体・マニフェスト管理
リユース部品の回収(リモート点検盤など)
エレベーター本体の製造、搬送、設置に至るまでのトータルエネルギー消費量も無視できません。
大型施設では10台以上の機器を同時に据付けるケースもあり、搬入車両・電源使用・溶接作業に伴うCO₂排出量が増大します。
対応策:
工場プレアッセンブリ化(現場作業を減らす)
電動工具のバッテリー共有による発電機使用の削減
現場における消費電力のモニタリング
据付工事だけでなく、設置後の使用期間におけるエネルギー効率も重要な環境指標です。
回生システム付きエレベーター(昇降時の運動エネルギーを再利用)
インバーター制御による省電力駆動
待機時自動停止/LED照明など、常時稼働を前提とした省エネ化
近年では、ZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)の実現に向けて、エレベーターも建築設備の一部として環境性能が求められる時代です。
国交省の「建築物省エネ法」対象施設では、エレベーターのエネルギー性能表示が求められることも。
ビル全体のBEMS(ビルエネルギー管理システム)と接続し、**稼働状況に応じた制御(間引き運転など)**が可能に。
高層化、都市化が進む現代において、垂直移動インフラの環境配慮はもはや“選択”ではなく“責務”です。
設計・搬入・施工・運用すべてにおいて、
「静かに据えて、長く動かし、環境を守る」
これこそが、現代のエレベーター施工業者の使命です。
次回もお楽しみに!
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