皆さんこんにちは!
新菱工機です
~技術継承~
エレベーター工事業において、大きな課題のひとつが人材不足と技術継承です。エレベーターは建物に欠かせない設備であり、新設工事、更新工事、改修工事、保守点検、修理など、多くの場面で専門技術者が必要とされます。しかし、業界全体では若手人材の確保や育成が難しくなっており、今後の技術継承が重要なテーマになっています。
エレベーター工事は、一般的な建設作業とは異なる高度な専門性を持つ仕事です。機械、電気、制御、建築、安全管理など、幅広い知識が必要です。エレベーターの構造を理解し、図面を読み、部品を取り付け、配線し、調整し、試運転を行い、安全確認をする。これらを正確に行うには、長い経験と丁寧な教育が必要です
また、エレベーター工事では、昇降路やピット、機械室、かご上など、特殊な場所で作業することが多くあります。狭い空間、高所、暗い場所、重量物、電気設備など、現場には多くの危険があります。作業員には技術だけでなく、安全意識も強く求められます。
未経験者が入社してすぐにすべての作業を任せられるわけではありません。最初は道具の名前、作業手順、安全ルール、部品の扱い方、現場での動き方から学ぶ必要があります。少しずつ経験を積みながら、先輩技術者の指導を受けて成長していきます
しかし、人材不足が進む中で、この育成の仕組みが十分に整っていない会社では、若手が定着しにくくなる可能性があります。「仕事が難しい」「危険そう」「覚えることが多い」「将来像が見えにくい」と感じると、せっかく入社した人材が離れてしまうこともあります。
そのため、エレベーター工事業では、若手が安心して成長できる教育体制が重要です。昔ながらの「見て覚えろ」だけでは、現代の人材育成には不十分です。もちろん現場経験は大切ですが、なぜその作業が必要なのか、どこに危険があるのか、どのように確認するのかを言葉で丁寧に伝えることが求められます
例えば、作業マニュアルの整備、写真や動画を使った教育、チェックリストの活用、段階的な技能習得、先輩とのペア作業、社内勉強会、メーカー研修、資格取得支援などが有効です。特にエレベーター工事では、安全に関わる確認作業が多いため、教育の標準化が重要になります。
また、ベテラン技術者が持つ経験や感覚をどう若手に伝えるかも大きな課題です。エレベーター工事では、図面やマニュアルだけでは分からない現場判断があります。建物ごとのクセ、古い設備の状態、搬入時の工夫、異音の判断、調整の微妙な感覚、トラブル時の対応などは、経験から学ぶ部分が大きいです♂️
ベテランが退職してしまう前に、こうしたノウハウを会社全体で共有する仕組みが必要です。過去の工事事例、トラブル事例、改善事例、注意点を記録として残すことで、若手が学びやすくなります。技術を個人の経験だけに頼るのではなく、会社の財産として蓄積することが大切です。
次に、人材不足の背景には、業界の魅力が伝わりにくいこともあります。エレベーター工事は、社会に欠かせない仕事でありながら、一般の人には仕事内容があまり知られていません。エレベーターを使う人は多いですが、それを設置・整備する技術者の仕事を意識する機会は少ないでしょう。
求人においても、「エレベーター工事スタッフ募集」と書くだけでは、仕事の価値が伝わりにくい場合があります。実際には、建物の移動インフラを支え、高齢者や障がいのある方、子ども、荷物を運ぶ人など、多くの人の暮らしを支える重要な仕事です
エレベーターが安全に動くことで、建物の利便性は保たれます。病院では患者様の移動を支え、マンションでは住民の生活を支え、商業施設ではお客様の移動を支え、オフィスビルでは働く人の業務を支えます。この社会的価値を若い世代に伝えることが、採用活動では大切です。
また、エレベーター工事業は、専門技術を身につければ長く活躍できる仕事でもあります。建物がある限り、エレベーターの設置・更新・保守の需要は続きます。技術を磨くことで、現場作業者から施工管理、点検技術者、指導者、管理職へとキャリアを広げることもできます✨
このような将来性を示すことで、若手にとって魅力ある職業として伝えやすくなります。
さらに、人材定着には働き方の改善も必要です。エレベーター工事では、建物の利用状況に合わせて夜間や休日に作業することもあります。更新工事では短期間で作業を終える必要があり、繁忙期には負担が大きくなることもあります。
無理な工程や長時間労働が続けば、作業員の疲労が増え、安全リスクも高まります。人材を長く定着させるためには、適切な人員配置、休憩確保、休日管理、残業削減、安全第一の工程づくりが重要です。働く人を大切にする会社でなければ、技術は継承されません
また、若手が働きやすい職場環境をつくるには、コミュニケーションも大切です。分からないことを質問しやすい雰囲気、失敗を責めるのではなく改善につなげる姿勢、成長を認める文化がある会社は、人が育ちやすくなります。
エレベーター工事業は、ミスが許されない場面が多い仕事です。だからこそ、厳しさも必要です。しかし、ただ厳しいだけでは若手は育ちません。安全と品質を守るための厳しさと、成長を支える丁寧な指導の両方が必要です。
これからのエレベーター工事業は、人材育成が会社の競争力を左右します。高齢化社会が進み、建物のバリアフリー化や老朽化設備の更新需要が高まる中で、エレベーター技術者の重要性はさらに増していきます。
人材不足を解決するには、採用、教育、定着、技術継承、働き方改善を一体で考える必要があります。人を集めるだけでなく、育て、守り、長く活躍できる環境をつくることが大切です。
エレベーター工事業は、人々の安全な移動を支える誇りある仕事です。その技術を次世代へつないでいくことが、業界の未来を守る大きな課題なのです✨

