皆さんこんにちは!
新菱工機、更新担当の中西です。
目次
エレベーター据付工事の鉄則 ~安全と精度を守る現場の哲学~
今回は、エレベーター据付工事の現場で実際に大切にされている**「5つの鉄則」**について詳しく解説します。
エレベーターの据付は、見た目は地味でも、ほんの数ミリのズレが命に関わる超精密な工事です。だからこそ、**一つ一つの作業に妥協しない“現場の掟”**があります。
⚙️ 鉄則①:最初の「水平・垂直」確認は命より重い
エレベーターシャフト内に設置するガイドレールや機器類は、ミリ単位の水平・垂直誤差すら許されない世界。
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据付前にレーザー墨出し器や精密測定器で軸心を確認
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わずかな傾きでも、かごの振れや異音、停止不良の原因になる
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一番最初の“芯出し作業”は絶対に複数人でダブルチェック
この工程を怠ると、以後のすべての作業に歪みが出てしまうため、据付工事の中で最も慎重に行われます。
🧯 鉄則②:安全帯・落下防止措置は“当たり前”
エレベーター工事は、シャフト(昇降路)という垂直空間での作業が中心です。高所作業に加え、暗所・狭所での作業も多く、転落事故や接触事故のリスクが高い現場となります。
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高所作業は必ずフルハーネス型安全帯+ランヤード固定
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シャフト内では落下物防止ネットや工具ベルトを装着
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1階〜最上階までの転落養生と連絡体制を整える
安全を守るのは、自分の命だけでなく、仲間や利用者の命も守る行動なのです。
🛠️ 鉄則③:各工程の「確認→記録→報告」の3ステップを徹底せよ
据付作業は、複数の職種・業者が連携する分業型の現場です。
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ガイドレール設置 → 電源接続 → かご吊り下げ → 試運転
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各工程で仕様通りに設置されたかを確認・記録し、担当責任者へ報告
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問題があれば、その場で作業停止→再調整が原則
この「報・連・相」の積み重ねこそが、不具合ゼロ・事故ゼロの据付を実現するカギです。
🔌 鉄則④:電気設備と制御盤の施工は“見えない美しさ”を追求せよ
エレベーターの心臓部ともいえる制御盤や配線作業は、見た目には表れない繊細な仕事です。
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電源線・制御線・緊急通信線を配線ルート通りに整理整頓
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電気ノイズ防止のために、アース線の接続・絶縁処理も徹底
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すべてのケーブルに表示ラベル・確認票の記載
「誰が見ても、どこを触っても、安全にわかる」状態が、プロの証です。
✅ 鉄則⑤:引き渡し前の“最終試験”は一切の妥協を許さない
すべての据付作業が完了したあと、いよいよ試運転と最終検査に入ります。
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無負荷・負荷試験(荷物を載せて昇降テスト)
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非常停止装置・地震センサーの動作確認
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自動階数制御・緊急時のアナウンス動作・通信テスト
この段階で問題が出れば、再調整→再試験となり、合格するまで絶対に運用許可は下りません。
つまり、「安心して乗ってもらえるか」を最後に保証するのが据付工の責任です。
✨まとめ:エレベーター据付工事は「信頼を積み重ねる仕事」
1ミリのズレも許さない。
1つの手順も省略しない。
それが、命を預かる昇降機を扱うプロの流儀です。
エレベーター据付工事とは、ただ機械を取り付ける仕事ではなく、安心・安全・快適という「見えない信頼」を積み重ねる仕事。
そのために、私たちは日々、**技術と誇りを胸に現場に向き合っているのです。
次回もお楽しみに!
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